絵本について話したい

元小学校教員、6歳娘・3歳息子の母、専業主婦、絵本と小説が好きです

読書感想文これを読めば書ける!書き方のコツを元小学校の先生が教えます

こんにちは。

元小学校教員で2児の母、河西です。

当ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。

今回ご紹介したいのは、読書感想文の書き方です。

読書感想文は夏休みの宿題になっているという学校も多いですよね。

しかし、何の指導もせずに子供に感想文を書かせようとすると、1文も書けない…なんてことも少なくありません。

読書感想文には「書き方」があります。

これを押さえれば、形の整った文章で規定の枚数分原稿用紙を埋めることが可能です!

夏休み前に、ぜひご一読ください。

 

 

まずはこれを押さえて!読書感想文のコツ3つ

読書感想文を書くコツは以下の3つです。

①本選び
②段落構成を知る
③書くことを絞って膨らませる

①本選び

まず、読書感想文を書く上で本選びは一番重要です!

子供に「この本どうだった?」と聞いたときに「おもしろかった」の一言で終わってしまう本では書けません。

読書感想文は本の「感想」を書くもの。

その本を好きかどうかはともかく、「ここが〇〇で、△△なんだけど、私は…」と子供が感想をたくさん語れる本であることが大切です。

したがって、読む前から「この本で書こう」と決めるのはNG。

読書感想文が夏休みの宿題になっているならば、目ぼしい本数冊を用意して、とにかく早く読み始めてください!

「夏休み中に読んだ本の中で」という規定がなく、語れる本が既にあるならば、それで書くことをオススメします。

後述しますが、読書感想文を書くには最低2回は読まなければなりません。

既に読んだ本ならば、その1回を省けます。

書きたい本がないならば、とにかく早く数冊読み始めましょう。

 

②段落構成を知る

読書感想文は以下の段落構成を知っていれば、最低限体裁の整ったものになります。

1.はじめに
2.あらすじ
3.心に残ったこと
4.本を読んで変わったこと・改めて思ったこと
5.まとめ
 

③書くことを絞って膨らませる

書きたいことを1つか2つに絞って、感想を膨らませましょう。

書く準備のために本を読み返していると、小さな感動や驚きを全て拾ってしまい、書くことが多くなりすぎてしまうのはよくあること。

まとまりのない文章になってしまいます。

書きたいことを絞り、1つか2つのことについて熱く語る文章に仕上げましょう。

 

以上3つのコツを押さえた上で、ここからは読書感想文を書く手順に沿って、書き方を丁寧にお伝えしていきます。

 

1.読書感想文を書きやすい本・書きづらい本

読書感想文を書くための本を選ぶ基準として一番大切なことは、子供が本について多くを語れることです。

では、どのような本ならば子供に多くの感想をもたせ、語らせることができるのでしょうか。

それは、テーマ性のある本。

友情、家族愛、不屈の心、環境問題、人権、戦争など、強いテーマ性のある本は、自分や自分の置かれる環境との比較をしやすいこともあり、感想を引き出しやすいです。

では、テーマ性のある本をどうやって選ぶかというと、やはり課題図書・推薦図書と呼ばれる本の中から選ぶのが良いでしょう。

▼こちらのサイトで紹介されている本は、全てテーマがわかりやすく設定されている作品なので、まだ本を読み始めていないという場合はこの中から数冊選んでみてはいかがでしょうか。

www.dokusyokansoubun.jp

反対に、読書感想文を書くのに適さない(とまでは言いませんが、オススメできない)作品もあります。

・図鑑
・推理もの
・ホラー
・短編集
 
図鑑はあらすじがなく、段落構成からしっかり考えなければならないので、文章を書くのが得意でない場合は避けた方が無難。
推理ものは、感想が「すごい」だけになってしまったり、その「すごい」の理由を話すためにトリックの説明が長くなりすぎる可能性が高いです。
ホラーも感想を引き出しづらいので同様。
(推理もの・ホラー共に、事件の背景にある人間性などに惹かれるといった場合は書ける場合もあるので、子供の話をよく聞いてみてください)
短編集は、全ての話について感想を書くのは現実的ではありません。
かといって、一つの話に絞ると本自体の文量が少なくなるので、熱く語れるほどに感想を抱けない可能性があります。
推理、ホラー、図鑑は子供の好きなジャンルと言えるでしょう。
しかし、読書感想文は好きな本なら書きやすいというものでもないのです。
 

2.読み直し→心が動いたポイントの洗い出し→書くことを絞って膨らませる

本を数冊読んで感想文を書く本を選ぶことができたら、次はその本をもう一度読みましょう。

 

心が動いたポイントの洗い出し

1回目は本を選ぶため、2回目は「心が動いたポイントを洗い出すため」に読みましょう。

心が動いたポイントを洗い出すためには、付箋の活用がオススメ!

ピンク:楽しい、嬉しい、面白いなどの明るい気持ちになった所
青:悲しい、辛い、怖いなどの暗い気持ちになった所
緑:共感できないと思った所
白:言葉の意味などがわからないところ
上記のような基準で付箋を色分けし、心が動いた箇所に貼っていきます。
低学年は貼るだけでもOK。
中学年以降は、その色にした理由を付箋に簡単にメモして貼りましょう。
2回目を読み終え、付箋を貼り終えた時点で白付箋の疑問は解消しておきます。
 

書くことを絞る

貼った付箋を吟味し、書くことを1つか2つに絞ります。
ここでも「語れる」ということが大切。
貼った付箋の中から、子供が一番感想を話せる箇所を選びましょう。
案外、緑付箋の「共感できない」も子供の感想を引き出せます。
しっかり親子で読書感想文に取り組もうという場合には、本についてたくさん話し合いましょう。
話し合ったことは子供の感想をふくらませることにつながり、そのまま感想文に活かすことができます。
親御さんも、子供が選んだ本をぜひ一度読んでくださいね。
 

感想を膨らませる

心に残ったことを1つか2つに絞ったら、感想を膨らませます。
「すごい」「悲しい」の一言で終わってしまっては、文字数を稼げません。
では、感想を膨らませるにはどうすれば良いかというと、自分との比較です。
多くの場合、心に残る場面は自分と比較する中で印象に残っていることが多いと考えられます。
・自分なら〇〇なんてできないから、勇敢だと思う。
・自分もこの人物と同じことを思うから、すごく共感できた。
・〇〇するなんて信じられない。自分ならこうするのに。
・自分と同じ年の子なのに、こんなに辛い境遇にあることが悲しい。
このように、なぜすごいのか、なぜ悲しいのかを自分と比較することで掘り下げていくことができます。
感想を膨らませる作業の時は、実際に文章を書く時の材料にするために、大人が簡単にメモをとるのがオススメです。
 

3.書く

ここからは、実際に文章を書く際のポイントをご紹介します。
 

下書き必須|原稿用紙をたっぷり用意して

書く内容が固まったとしても、必ず下書きをしましょう。

思っていたよりも文章が長すぎたり短すぎたりした、読み返したら変だったという時、いきなり清書していた場合全て最初から書き直しです。

そうなるよりは、きちんと下書き・推敲してから書く方がダメージは少なく済むでしょう。

下書き・推敲では以下のポイントを押さえましょう。

下書き:段落ごとに原稿用紙を変える
推敲:赤ペンで下書きに直接書き込み
下書きは段落ごとに原稿用紙を変えます。
推敲しやすくなるからです。
文字数のカウントもしやすくなります。
そのために、学校から渡される原稿用紙以外に家庭で1セットは用紙を用意してあげると良いでしょう。
また、タイピングが得意なお子さんは、ワープロソフトで下書きしてしまうというのも手です。
文字数カウントも一発。
段落ごとに読み返し、書き直す箇所は赤ペンで修正を入れていきます。
内容・文字数ともにOKであれば、学校から渡された用紙に清書しましょう。
 

内容・例文

書くこともほぼ決まり、さあ書こうという段になって、1文目をどう書き出したらよいかわからないということはよくあるものです。

ここでは、各段落で書くべき内容や書き出しの例をご紹介します。

1.はじめに

読書感想文は書き出しに最も苦戦するのではないでしょうか。

実は書き出しで書くことは、段落構成3・4の「心に残ったこと」と「本を読んで変わったこと・改めて思ったこと」と同じ内容で良いのです。

◆本を選んだ理由型
例:私がこの本を選んだのは、主人公の行動にとても驚いたからです。自分の危険を顧みずに鬼退治という危険に挑む主人公は、すごいと思いました。
◆自分の気持ち型
例:私は「勇気」や「勇敢さ」というものが、どういうものかわかりませんでした。でも、「桃太郎」を読んで、それがどういうことか少しわかった気がします。
◆本文引用型
例:「鬼退治に行きたい」これは、私が選んだ「桃太郎」という本の主人公、桃太郎のセリフです。桃太郎は危険を顧みず、勇敢に鬼退治に出かけたのです。 など
この段落はだいたい全体の文量の1割程度で大丈夫。
2.あらすじ

選んだ本をネット検索すると、あらすじが書かれています。

当たり前ですがコピペはNG。

あらすじを読みながら書いてしまうとほぼコピペになってしまうので、どの程度まで書いているのか確認するにとどめ、自分の言葉でまとめるようにしましょう。

あらすじは長くなってしまいがちなので、全体の文量の2割程度に収まるようにしてください。

3.心に残ったこと
「3.心に残ったこと」は、膨らませた感想を自分と比較する形で書いていきましょう。
すると、「4.本を読んで変わったこと・改めて思ったこと」も書きやすくなります。
4.本を読んで変わったこと・改めて思ったこと
「3.心に残ったこと」で紹介した部分を読んで、自分はどう変わったか・改めてどう思ったかを書きます。
▼文例
私は、自分と無関係の人たちのために勇敢に戦う桃太郎に驚きました。
本当の勇敢さとは、誰かのために頑張ることなのかなと気づきました。
だから、私も桃太郎のように誰かのために頑張ります。
3,4段落が読書感想文において大切です。
3,4段落合わせて全体の6割程の文量になるのが理想的でしょう。
5.まとめ

まとめでは、この本を読んで良かったのか、この本を好きかどうか、どんな人にオススメかといったことで締めくくると、うまく文章を終えることができます。

▼文例

私は「(題名)」を読んで良かったです。
今まで自分になかった勇敢さに気づくことができたからです。
私のように勇敢さが何かに悩んだり、勇気を出せなかったりする人にぜひ読んでほしいと思います。
終わりの部分なので、全体の1割程度でさらっと終えてしまって大丈夫です。
 

まとめ

  • 読書感想文を書く上で一番大切なポイントは、本選び、段落構成を知る、書くことを絞って膨らませるの3点。
  • 「子供が語れる本」を選ぶことが一番大切。テーマ性のある本がオススメ。「好き」な本で書けるとは限らない。
  • 感想は自分との比較の中で膨らむ。感想を膨らませるには、親子でその本について会話することが活かされる。
  • 必ず下書きを。下書きの際は段落ごとに原稿用紙を変えましょう。

夏休みの宿題になっていることが多い読書感想文。

せめて、整った構成で規定の文量をしっかり埋めたいものですよね。

読書感想文は、読まなければなりません。

だから、時間がかかります。

できれば夏休み開始を待たずに読み始め、文章作成にじっくり取り組む時間をとれるようにしましょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ともだちとの関わりに悩む小学生のお子さんに読んでほしい絵本「やもじろうとはりきち」

こんにちは。

元小学校教員で2児の母、河西です。

当ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。

今回、ご紹介するのは絵本「やもじろう と はりきち」です。

本作品を手に取ったのは、私が愛読する雑誌「AERA with Kids 2022夏号」で読書感想文にオススメの本として紹介されていたからです。

友達との関わりに悩む小学生のお子さんに、ぜひ一度読んでみてほしい作品だと思いました。

 

やもじろう と はりきち

 

 
 
タイトル やもじろう と はりきち
発行年 初版 2017年
作者 降矢なな
出版社 株式会社 佼成出版社
本のサイズ 12.7×24.7cm
ページ数 32ページ
対象年齢
(公式なものではなく、私の感覚です)
5,6才頃~
オススメ度 ★★★★☆

 

あらすじ・内容

ヤモリのやもじろうとハリネズミのはりきちは、赤ちゃんの頃からの仲良しです。

しかし、いつからか、やもじろうははりきちと遊んでも面白くないと思い始めます。

はりきちは足が遅く、木登りもできず、ボール遊びもうまくできない。

他の友達に「何ではりきちが一緒なんだよ」と責められることも。

ある日、とうとうやもじろうははりきちに「もう、お前とは一緒に遊ばない」と言ってしまいます。

そんなやもじろうにはりきちは「どうして、もう遊んじゃだめなの?」と聞き返すのです。

別の日、やもじろうが遊びに行こうとするとはりきちの姿が見えたので、別の道を行くことにしました。

すると、そこにネコが現れ、やもじろうはつかまってしまいます。

舌なめずりする猫に「こんにちは、ねこさん」と話しかけたのははりきちです。

はりきちは上手に立ち回って猫を追い払うことに成功しました。

助けてくれたはりきちにやもじろうは「はりきち、いっしょにサッカーやろうか」と誘うのでした。

 

「ともだち」について深く考えるのにオススメ

私はこの作品は学年問わず、道徳の授業でも使えるのではないかと思います。

 

子供と話し合ってみよう

次の2点について深く掘り下げることで、夏休みの読書感想文を書くのにも役立つかもしれません。

①やもじろうがはりきちと遊ぶのがいやになったことについて

やもじろうがはりきちと遊ぶことがいやになってしまったことについて、子供と話し合ってみてください。

・なぜやもじろうは、はりきちと遊ぶのが嫌になったのかを確認。
・やもじろうの気持ちに共感できるか。
・やもじろうのような気持ちになった時はどうすべきなのか。
・はりきちはどんな気持ちか。
・やもじろうは悪いのか。
 
②この本の今後について

やもじろうは危ないところをはりきちに助けてもらって、「はりきち、サッカーしようか」と誘って終わります。

この時点では、助けてもらったことでやもじろうの気持ちははりきちを友達として見直したように思えます。

しかし、やもじろうがはりきちと遊ぶのが嫌になってしまった本質的な部分は変わっていません。

また、はりきちを疎んじる他の友達は、この時の出来事を知りません。

このことを確認した上で、この後のやもじろうとはりきちの関係性がどうなっていくと思うか、お子さんと話し合ってみてください。

 

小学校入学後によくあること

このやもじろうとはりきちのトラブルは、実は小学校入学以降よくあることなのです。

小学校入学前は、親同士が仲が良い、家が近所といったことが理由で友達になります。

しかし、小学校に入学すると友達が増え、色々な子と遊んで子供の世界が広がります。

また、小学校中学年くらいになると「気が合う」「趣味嗜好が似ている」といった

理由で友達を作るようになるのです。

すると、それまでいわゆる幼馴染だった子との関係が、やもじろうとはりきちのように変わってくる子も出てきます。

やもじろうとはりきちのような体験をしている子は少なくありません。

このような体験をしている子には、本作品は少々辛いお話になるかもしれません。

しかし、あくまでも「やもじろうとはりきちのお話」と考えさせることで、「ともだち」について考えるきっかけになるのではないでしょうか。

 

 

低学年なら低学年なりの、高学年なら高学年なりの経験と思考で、様々な読み方ができる作品です。

ぜひ、親子で読んで話し合ってみてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

学年別という配慮が良い!子供の待ち時間のお供にオススメ「学年別ドラえもん名作選 ドラえもん一年生」

こんにちは。

元小学校教員で2児の母、河西です。

当ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。

今回、ご紹介するのは漫画「学年別名作選 ドラえもん一年生」です。

こちらの作品は「一年生」とタイトルがついていますが、年長さんくらいのお子さんにもオススメ!

学年別の名作選になっていることが、本当に便利です。

 

学年別ドラえもん名作選 ドラえもん一年生

 

 
タイトル 学年別ドラえもん名作選
ドラえもん 一年生
発行年 初版 2019年
作者 著者:藤子・F・不二雄
監修:岸圭介
出版社 株式会社 小学館
本のサイズ 18×12.5cm
ページ数 135ページ
対象年齢
(公式なものではなく、私の感覚です)
5,6歳~
オススメ度 ★★★★★

 

内容・あらすじ

こちらの作品はドラえもんの原作の中から、その学年に適した作品を集めたシリーズの1年生編です。

次のお話が収録されています。

・ふわりねん土
・ピーヒョロロープ
・さかみちレバー
・ゴロアワセトウ
・木こりのいずみ
・おくれカメラ
・ひっこしちず
・どんぶらガス
・かげぼうしフラッシュ
・虫よせボード
一すんぼうし
・うみを一きれきりとって
・月のひかりと虫のこえ
・そっくりクレヨン
ココロコロン
ママをたずねて三千キロじょう
・ちかてつをつくっちゃえ  (全17話)
全てのお話が10ページ以内で完結する短いお話ばかりです。
また、コマに番号がふってあるので、次にどのコマを読めば良いかが一目でわかります。
 

学年別という配慮が良い!何をとっても丁度良い!

学年別にされていることから、何をとっても丁度良い作品に仕上がっているのです。

 

学習漢字を考慮

原則的にその学年までに学習する漢字を使っています。

(固有名詞や、漢字を使う方が読みやすい場合などは未習でも漢字にしています)

しかし、全ての漢字にルビがふってあるので子供が一人読みしやすいです。

 

一話が短い

全てのお話が10ページ以内で終わる短いものです。

漫画であっても、1年生が一人読みすることを考えると飽きずに読める丁度良い長さと言えます。

 

学年別の名作選でドラえもんを読める

作品数の多いドラえもん名作選で読めるのは、丁度良いと思いました。

ドラえもんは安心して子供に与えられる漫画作品です。

しかし、巻数が多く集めることはできません。

だからこそ、色々なテーマ(恋愛編、友情編など)の名作選があります。

でも、小学1年生には内容的に難しいこともしばしば。

それを、内容の難易度を学年に合わせた名作選で読めるというのは、「ドラえもん」という作品を読むのに手ごろで良いと思いました。

 

待ち時間はスマホの代わりに漫画「ドラえもん

病院の待ち時間や電車や飛行機での移動時間に、こちらの作品をはじめとした漫画はオススメです。

今はスキマ時間は動画を見たり、ゲームをしたりするのが主流でしょう。

そんなスキマ時間に、子供に漫画を渡すのはいかがでしょうか。

待ち時間に本では間が持たない、一人読みが難しいという場合でも、漫画ならもつということもあると思います。

我が娘も病院の待合室でアニメが流れていないと、そわそわと落ち着きがありません。

しかし、この作品なら大人しく読んでいられる時間が長いです。

我が家もスマホの動画にはお世話になりっぱなし。

だからこそ、時々はこうして漫画でも良いので活字に触れてほしいと思ったり、私も待ち時間はスマホを見たいと思ったりします。

そんな時にぜひ、手に取ってみてください。

 

 

漫画でもドラえもんは安心して渡せます。

その上、学年別に難易度が配慮されているというのは本当に便利です。

この作品については、いつも手に取れるところに置くのではなく、待ち時間ができた時に渡すようにすると、より一層喜んで読んでくれます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

初めての性教育にぴったりの絵本!何から話せばいいかがわかる「やさしくわかる性のえほん じぶんのからだはどんなからだ?」

こんにちは。

元小学校教員で2児の母、河西です。

当ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。

今回、ご紹介するのは絵本「やさしくわかる性のえほん じぶんのからだはどんなからだ?」です。

娘が年中さんになる頃、性教育を始めなければと思いつつ手を付けられずに早1年…。

それほど躊躇したのは、何をどこまでどのように話したら良いのかわからなかったからです。

また、絵本を使って話したいと常々思っていたのですが、なかなか丁度良い本に出会えずにいたからということもあります。

そして、ついに先日図書館でこちらの絵本に出会ったのです。

 

やさしくわかる性のえほん じぶんのからだはどんなからだ?

 

 
 
タイトル やさしくわかる性の絵本 じぶんのからだは どんなからだ?
発行年 初版 2022年
作者 監修:田代美江子
絵:せべまさゆき
編著:WILLこども知育研究所
出版社 株式会社金の星社
本のサイズ 26.2×23.3cm
ページ数 絵本ページ:27ページ
解説ページ:4ページ
対象年齢
(公式なものではなく、私の感覚です)
5歳頃~
オススメ度 ★★★★★

 

あらすじ・内容

主人公のユミちゃんとお母さんが温泉に行くところから、お話が始まります。

「おかあさんにはおちんちんないのはなんで?おかあさんのおっぱいが大きいのはなんで?」

おなじところとちがうところを比べてみよう!

ユミちゃんとお母さんは、お互いの体のあちこちを比べてみます。

形が似ている、大きさが全然違うなど、それぞれの違いが見えてきて、全く同じ体はこの世に一つもないということに気づくのです。

 

からだのなまえいえるかな?

次は男女の体の違い。

違うところも同じところもいっぱいある。

ここでは、男女の性器を下から見た時のイラストと名称が記されています。

そして、身体の中でも口、胸、ワギナ、ペニス、おしりはプライベートパーツを呼ばれることも教えてくれています。

 

おとなになるとどこがかわるの?

また、この男女の違いは大人になると、より一層多くの体の部位に見られるのです。

 

じぶんでからだをあらってみよう!

自分の大切な体を、自分できちんと洗ってみよう。

性器は男女で洗い方も違います。

 

みんながもっているからだのけんり

体を見たり、触ったりしていい相手を決めるのは自分自身であること。

大好きな相手でも、見られたり触られたりして嫌な時は嫌と言っていいのです。

病院の先生は健康のために、体を見たり触ったりします。

でも、それが嫌だと感じたら、おうちの人に相談していいのです。

そして、自分の体のことを悪く言われたり、誰かの体のことを悪く言ったりするのはいけないこと。

自分の体のことをきちんと知っていて、自分の体も誰かの体も大切にできるのは、かっこいいこと!

 

おうちの方へ

大人が知っておくべきことについて解説しています。

・自分の体について知ることは「体の権利」
・性器の健康と発達
・入浴時は体の話をするチャンス
・思春期の体の変化
・プライベートパーツと体のプライバシー
・「体の権利」を一緒に考えよう
 

初めての性教育にオススメ!

子供にはたくさんの本に出会ってほしい、でも次から次へ本を購入することは、我が家にはできません。

だから、あまり私は本を購入せず、基本的に図書館で借りています。

本作品とも図書館で出会いました。

しかし、こちらの絵本は購入しようと思っています。

 

何をどこまで話せば良いかがわかる!

初めての性教育で、何をどこまで話せばよいのかが大変わかりやすいです。

性教育は最終的には人権教育です。

伝えなければならないことはとても多く、何から、どこまで、どのように話したら良いのかがわかりませんでした。

しかし、この絵本は一番最初の性教育という段階で伝えるべきことが明確に示されています。

5歳頃からの最初の性教育は、この一冊があれば大丈夫です。

 

購入して家に置いておくのがオススメ!

こちらの作品は、図書館で借りるのも良いですが購入がオススメ。

なぜなら、時間をかけてじっくり子供に眺めてもらいたいからです。

我が娘に本作品を読み聞かせした際に感想を聞いてみると、「難しくてよくわからなかった」と答えました。

恥ずかしがったり嫌がったりするかと思ったのですが、5歳の娘には「学習事項」のように感じた印象です。

あまり興味がないようにも見受けられたのが意外でした。

しかし、この作品が教えてくれることは、今後の性教育の土台になる大切な部分。

ぼんやりとでも、頭に残しておいてくれなければ困ります。

だから、購入して目に付くところに置き、気になった時手に取れるようにしたいのです。

本作品には、時間をかけてじっくりと子供の中に定着させていきたい大切なことがかかれています。

 

 

性教育は3歳頃から始めるべき、と近年よく言われます。

早めに始めるに越したことはないと思いますが、身体の各部の名称などは子供には難解なものです。

私は本作品で娘に性の話をしてみて、子供にもよると思いますが、5歳くらいから始めるのでも良いのではないかと思いました。

本作品は、5歳頃から本格的に始める性教育の第一歩に使っていただきたいオススメ絵本です。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

プレゼントにもオススメの絵本|おしゃれでちょうどいい怖さ「おばけの めをみて おとうとうさぎ」

こんにちは。

元小学校教員で2児の母、河西です。

本ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。

今回、ご紹介するのは絵本「おばけの めをみて おとうとうさぎ」です。

本作品は、「おとうとうさぎシリーズ」と言われるシリーズ絵本の1作目。

スウェーデンの作家ヨンナ・ビョルンシェーナの作品です。

シリーズは、スウェーデンでは子供たちに人気の絵本ベスト1にもなりました。

 

おばけの めをみて おとうとうさぎ

 

 
 
タイトル おばけの めをみて おとうとうさぎ
発行年 初版 2008年
作者 作:ヨンナ・ビョルンシェーナ
訳:菱木晃子
出版社 株式会社クレヨンハウス
本のサイズ 29×21.5cm
ページ数 27ページ
対象年齢
(公式なものではなく、私の感覚です)
4,5歳頃~
オススメ度 ★★★★★

 

あらすじ・内容

おとぎのもりに6人家族のうさぎが住んでいます。

パパうさぎ、ママうさぎ、おにいさんうさぎ、おねえさんうさぎ、いもうとうさぎと、そしておとうとうさぎです。

うさぎの家族のお家はおとぎのもりのすてきなところにありますが、もりのなかにはとてもこわいところもあります。

そこには、おばけがすんでいます。

うさぎの子供たちの中でも一番のこわがりのおとうとうさぎは、おばけがこわくて仕方がありません。

ある日、おとうとうさぎはチョウチョに気を取られといるうちに、もりのこわいところまで来てしまいます。

帰り道がわからなくなっているところへ、くろふくのトムテが現れ、助けてくれることに。

しかし、トムテに着いていった先でおばけに遭遇!

おとうとうさぎは何とか逃げ切りました。

すると、トムテに「おばけのめを、ちゃんとみたか?」と聞かれます。

おばけは弱虫が好きで、ちゃんと目を見ないとどこまでも追いかけてくるというのです。

その後、無事に家に帰りついたおとうとうさぎでしたが…

 

プレゼントにもオススメのおしゃれ絵本

私は本作品はプレゼントにオススメです!

 

おしゃれ北欧絵本

本作品は絵がとても素敵です。

北欧らしいナチュラル感と少しの不気味さが相まって、とてもオシャレ。

絵本は見せる収納にするという方にもオススメです。

贈り先のお子様だけでなく、オシャレなママ・パパにも喜んでもらえると思います。

 

怖さが丁度いい

4,5歳の子供が読むのに、丁度いい怖さだと思います。

ページをめくった時に突然現れるおばけの絵は不気味で、我が子は少々怖がりました。

しかし、最後には温かな締めくくりとなっていて、読み終わる時には笑顔になれます。

子供って怖い本が好きですよね。

でも、怖すぎると眠る前などに思い出して「怖い―」となってしまうことも。

怖いものが怖いまま終わってしまう物語も多いですが、その点で本作品は4,5歳の子供に読む、ちょっと怖い本としてピッタリです。

 

スウェーデンでは大人気の絵本のようですが、日本では定番とは言えない作品です。

かぶる心配をせずにプレゼントできるでしょう。

物語も絵も素敵で、お子様にも大人にも喜んでもらえます。

 

▼クレヨンハウスの公式ページです。

www.crayonhouse.co.jp

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「問い」の立て方がわかる!疑問が解消する気持ちよさが味わえる図鑑「ふしぎがわかるよ図鑑」

こんにちは。

元小学校教員で2児の母、河西です。

本ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。

今回、ご紹介するのは絵本「学研の図鑑  for Kids ふしぎがわかるよ!図鑑」です。

私は、この図鑑で「問いの立て方」を学ぶことができると思います。

とても魅力的な図鑑です。

 

学研の図鑑  for Kids ふしぎがわかるよ!図鑑

 

 
 
タイトル 学研の図鑑 for Kids
ふしぎがわかるよ!図鑑
発行年 初版 2015年
作者 編集人:坂岸英里
総合監修:横山洋子
出版社 株式会社学研教育出版
本のサイズ 26.2×21.6cm
ページ数 191ページ
対象年齢
(公式なものではなく、私の感覚です)
4,5歳頃~
オススメ度 ★★★★★

 

あらすじ・内容

せいかつ、たべもの、しぜん、いきもの、のりもの の各項目に分けて、子供が抱きそうな疑問を提示し、それに答えるという構成になっています。

以下は目次の一部です。

<せいかつのふしぎ>
どうしてねむくなくても、ねるの?
しんごうのいろは、なぜあお・きいろ・あかなの?
なぜおかねはたいせつなの? など
<たべもののふしぎ>
つぎのひのカレーはなぜおいしいの?
どうしていちにちなんかいもごはんをたべるの?
こどもはなぜおさけをのめないの? など
<からだのふしぎ>
どうしてうんちはくさいの?
はなくそがでるのはなぜ?
なぜかさぶたができるの?
あかちゃんはどこからくるの? など
<しぜんのふしぎ>
くもはなにでできているの?
にじはどうしてできるの?
たいようはなぜまぶしいの?
うちゅうじんはほんとうにいるの?など
<いきもののふしぎ>
ねこはどうしてあしおとをたてないであるけるの?
とりはどうしてそらをとべるの?
だんごむしはなにをたべるの? など
<のりもののふしぎ>
くるまのナンバープレートにはなにがかいてあるの?
どうしてしょうぼうしゃやきゅうきゅうしゃはおとをならすの?
どうしてひこうきはおおきいのにとべるの?
どうしてふねはおもいのにうくの? など
一般的な図鑑とは違い、何か疑問がある時に調べるというための図鑑ではありません。
 

「問い」の立て方がわかる!疑問が解決する楽しさを味わえる

私はこの図鑑は、「問い」の立て方がわかるようになる、素晴らしい作品だと思います。

 

「問い」を立てる大切さ

「生きる力」という言葉をご存じですか?

変化の激しいこれからの社会を力強く生き抜くための力を「生きる力」と言います。

生きる力の定義は以下のようなもの。

[生きる力]とは?
自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力 
・自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力 

(引用:中央教育審議会第一次答申パンフレット )

これからの社会を生き抜いていくためには、自分で課題(問い)を見つけることが大切だと言えます。

ただ与えられた課題を解決するだけでなく、自分で問題や疑問を見つけて解決する能力が、これからの社会では必要なのです。

 

「問い」の立て方がわかる

この図鑑の良さは、「問い」の立て方がわかることだと思います。

例えば、「どうして うんちは くさいの?」という疑問。

きっと「言われてみれば、どうしてだろう?」と多くの子供が思うでしょう。

当たり前すぎて、疑問にもなっていなかったからです。

それを疑問として突きつけられることが、不思議と気持ちが良いのです。

この図鑑は、目次を見ているだけで、身近なものへの疑問がむくむくと沸いて広がっていきそうです。

そして、その経験を重ねていくことができれば、「自分で課題を見つける」力につながっていくでしょう。

 

疑問が解消する気持ちよさがわかる

そして、その身近な疑問がきっちり科学的に解消されると、それも何とも気持ちが良いのです。

「ちゃんと調べればわかるんだ」という経験も、とても大切。

「わからないことがあったら、ちゃんと調べてみよう」と思えるでしょう。

 

 

疑問まで提示してくれて、何とも親切なこの図鑑。

目次を見ているだけでワクワクが止まりません!

ぜひ、お子さんと一緒に読んでみてください。

大人でも答えられないような疑問だらけです。

問いを立てること、疑問が解消することの楽しさを親子で味わってみませんか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

子供に伝えたい大事なことが詰まった絵本「ヘンテコリンおじさん」

こんにちは。

元小学校教員で2児の母、河西です。

本ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。

今回、ご紹介するのは絵本「ヘンテコリンおじさん」です。

本作品は、ただ読むだけであれば4,5歳からでもOK。

でも、元小学校教員の私としては「中学年くらいからの教室に置いておくのもいいな」なんて思う作品です。

 

ヘンテコリンおじさん

 

 

 
残念ながら、新品で購入できるサイトは少ないようです。
 
▼こちらのページで中を少し見ることができます。
タイトル ヘンテコリンおじさん
発行年 初版 2013年
作者 みやにし たつや
出版社 株式会社講談社
本のサイズ 26.5×21.5
ページ数 32ページ
対象年齢
(公式なものではなく、私の感覚です)
4,5歳頃~
オススメ度 ★★★★★

 

あらすじ・内容

大昔のヘンテコリンな時代。

恐竜もマンモスも人間もいた時代、眉毛のつながったヘンテコリンなおじさんがいました。

そのおじさんのヘンテコリンなところが項立てして描かれています。

・ゆめはかなう
・あきらめない
・あきらめない2
・はやいとおそい
・しあわせだなぁ
・じぶんだって
・どうぞどうぞ
・なきむし
・おじさんのねがい
「ヘンテコリン」とおじさんは言われていますが、本当は全然ヘンテコリンではないのです。
とても優しく、人を思う、強いおじさんなのです。
そんなおじさんの素敵な様子が上記の項立てで描かれています。
 

ヘンテコリンおじさんが大事なことを教えてくれる

「こんなことしても無駄だ」「みんなやってるんだから、自分だってやってもいい」

こんな負の感情は誰でももっているもの。

でも、ヘンテコリンおじさんはこのような負の感情に立ち向かっていると思うのです。

だから、他の人からはヘンテコリンに見えるのでしょう。

 

なきむし

私は、この「なきむし」という項目で思わず読み聞かせながら涙が出てしまいました。

ヘンテコリンおじさんはとても泣き虫です。

小さな怪我でもすぐに泣いてしまいます。

そして、ヘンテコリンおじさんは他人の痛みも自分のことのように泣くのです。

私自身も、子供の頃からすごく泣き虫でした。

友達によく「何でそんなことで泣くの」と白い目で見られていました。

それがとても悲しかったのです。

でも、今とても泣き虫の我が娘に私も「また泣いてる」などと言ってしまいます。

そんな中「ヘンテコリンおじさん」の「なきむし」を読んで、小さな頃の自分や、目の前でメソメソ泣く娘に抱く気持ちに変化がありました。

「泣き虫は優しさの一端かもしれない」と思えたのです。

短い絵本ですがどこかのページで、自分や誰かに優しい気持ちになれたり、自分を顧みたりできる部分が誰にでもあるのではないかと感じます。

 

 

読むだけであれば4,5歳からでも読めます。

でも、内容の深みをじっくり味わい、自分に当てはめて考えてほしいと思うので、小学校中学年以降のお子さんにもオススメです。

残念ながら新品で購入するのは難しいようなので、ぜひお近くの図書館などで探してみてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。