ともだちとの関わりに悩む小学生のお子さんに読んでほしい絵本「やもじろうとはりきち」
こんにちは。
元小学校教員で2児の母、河西です。
当ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本、教員としての経験や日々の育児から得た教育・育児に役立つことについて、ご紹介していきます。
今回、ご紹介するのは絵本「やもじろう と はりきち」です。
本作品を手に取ったのは、私が愛読する雑誌「AERA with Kids 2022夏号」で読書感想文にオススメの本として紹介されていたからです。
友達との関わりに悩む小学生のお子さんに、ぜひ一度読んでみてほしい作品だと思いました。
やもじろう と はりきち
タイトル | やもじろう と はりきち |
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発行年 | 初版 2017年 |
作者 | 降矢なな |
出版社 | 株式会社 佼成出版社 |
本のサイズ | 12.7×24.7cm |
ページ数 | 32ページ |
対象年齢 (公式なものではなく、私の感覚です) |
5,6才頃~ |
オススメ度 | ★★★★☆ |
あらすじ・内容
ヤモリのやもじろうとハリネズミのはりきちは、赤ちゃんの頃からの仲良しです。
しかし、いつからか、やもじろうははりきちと遊んでも面白くないと思い始めます。
はりきちは足が遅く、木登りもできず、ボール遊びもうまくできない。
他の友達に「何ではりきちが一緒なんだよ」と責められることも。
ある日、とうとうやもじろうははりきちに「もう、お前とは一緒に遊ばない」と言ってしまいます。
そんなやもじろうにはりきちは「どうして、もう遊んじゃだめなの?」と聞き返すのです。
別の日、やもじろうが遊びに行こうとするとはりきちの姿が見えたので、別の道を行くことにしました。
すると、そこにネコが現れ、やもじろうはつかまってしまいます。
舌なめずりする猫に「こんにちは、ねこさん」と話しかけたのははりきちです。
はりきちは上手に立ち回って猫を追い払うことに成功しました。
助けてくれたはりきちにやもじろうは「はりきち、いっしょにサッカーやろうか」と誘うのでした。
「ともだち」について深く考えるのにオススメ
私はこの作品は学年問わず、道徳の授業でも使えるのではないかと思います。
子供と話し合ってみよう
次の2点について深く掘り下げることで、夏休みの読書感想文を書くのにも役立つかもしれません。
①やもじろうがはりきちと遊ぶのがいやになったことについて
やもじろうがはりきちと遊ぶことがいやになってしまったことについて、子供と話し合ってみてください。
・やもじろうの気持ちに共感できるか。
・やもじろうのような気持ちになった時はどうすべきなのか。
・はりきちはどんな気持ちか。
・やもじろうは悪いのか。
②この本の今後について
やもじろうは危ないところをはりきちに助けてもらって、「はりきち、サッカーしようか」と誘って終わります。
この時点では、助けてもらったことでやもじろうの気持ちははりきちを友達として見直したように思えます。
しかし、やもじろうがはりきちと遊ぶのが嫌になってしまった本質的な部分は変わっていません。
また、はりきちを疎んじる他の友達は、この時の出来事を知りません。
このことを確認した上で、この後のやもじろうとはりきちの関係性がどうなっていくと思うか、お子さんと話し合ってみてください。
小学校入学後によくあること
このやもじろうとはりきちのトラブルは、実は小学校入学以降よくあることなのです。
小学校入学前は、親同士が仲が良い、家が近所といったことが理由で友達になります。
しかし、小学校に入学すると友達が増え、色々な子と遊んで子供の世界が広がります。
また、小学校中学年くらいになると「気が合う」「趣味嗜好が似ている」といった
理由で友達を作るようになるのです。
すると、それまでいわゆる幼馴染だった子との関係が、やもじろうとはりきちのように変わってくる子も出てきます。
やもじろうとはりきちのような体験をしている子は少なくありません。
このような体験をしている子には、本作品は少々辛いお話になるかもしれません。
しかし、あくまでも「やもじろうとはりきちのお話」と考えさせることで、「ともだち」について考えるきっかけになるのではないでしょうか。
低学年なら低学年なりの、高学年なら高学年なりの経験と思考で、様々な読み方ができる作品です。
ぜひ、親子で読んで話し合ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。