初めての国際理解に!異国情緒を味わえる絵本「スリランカの昔話 ふしぎな銀の木」
こんにちは。
元小学校教員で2児の母、河西です。
本ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本や、育児経験や教員としての経験をもとに、教育・育児に役立つかもしれないことについて、ご紹介していきます。
今回、ご紹介するのは絵本スリランカの昔話「ふしぎな銀の木」です。
日本や西洋の昔話やおとぎ話は、目にする機会は多いもの。
しかし、南アジアお話はなかなか出会うことはないのでは。
小さなお子さんの国際理解の第一歩にいかがでしょうか。
スリランカの昔話 ふしぎな銀の木
タイトル | スリランカの昔話 ふしぎな銀の木 |
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発行年 | 初版 2017年 |
作者 | 著者:シビル・ウェッタシンハ 訳者:松岡享子 市川雅子 |
出版社 | 株式会社 福音館書店 |
本のサイズ | 約26.6×19.5cm |
ページ数 | 56ページ |
対象年齢 (公式なものではなく、私の感覚です) |
5歳頃~ |
オススメ度 | ★★☆☆☆ |
あらすじ・内容(結末まで)
むかし、あるところに王様とおきさき様、そして3人の王子がおりました。
ある日、王様は、地面が割れて銀の木が生えてくるという美しく不思議な夢を見ます。
王様はその夢のことが忘れられず、どうしても現実に目の前に見たいと思うようになりました。
そこで、その夢をどうにか持ち帰るよう、3人の王子を旅に出します。
王子たちは途中から3方に分かれて進むことにしたところ、上の二人の兄王子たちは、ジャングルの不思議な術にかかり、先に進めなくなってしまいました。
末の王子は勇敢に旅を続け、遂に、王様の見た夢を現実に見つけることができました。
その夢を現実に見るには、不思議な3人の乙女の存在が必要です。
その3人の乙女を伴い、2人の兄王子を救い、末の王子は国への道を戻ります。
ところが、兄王子たちは末の王子を裏切ってさっさと先に王宮へ帰り、王様に末の王子は3人の乙女と遊んでいただけだと報告するのです。
怒った王様は、帰還した末の王子を牢屋に、3人の乙女を塔に閉じ込めます。
どうしても夢を現実に見たいという思いが強く、王様は病に臥せってしまい、国中に王様の夢を探すようにお触れが出されました。
そこで、3人の乙女が自分たちと末の王子ならば、夢を実現できると名乗り出ます。
王様の目の前で、3人の乙女と末の王子は見事、王様の夢を現実のものとしました。
2人の兄王子たちの嘘は、末の王子の厚意で許され、3人の乙女と王子たちはそれぞれ結婚し、末の王子が次期王となり、立派に国を治めました。
初めての国際理解に!
小さなお子さんが初めて外国について知るのに、昔話はオススメ。
お話の流れや、登場する人や動物、お話の舞台など全てにおいて日本とは異なり、それを一度に目にすることができるためです。
何もかもが、自分の知る身近なものとは違うことを、お話を通して感じることができます。
日本の昔話で出る舞台は山林、本作品ではジャングル、日本でよく登場する果物は桃や柿のところが、本作品ではバナナなど、日本との違いは明らか。
外国の自然や人々の生活を垣間見ることができます。
また、「絵」にも異国情緒があります。
絵の雰囲気、色彩も日本の昔話にはないものです。
私が本作品を知ったきっかけは、5歳の娘が図書館で見つけてきたためで、娘は表紙の絵に惹かれたそうです。
「すごくきれい」と言っていました。
こんな風に、ただ単に外国の絵本の素敵さを感じるだけでも、国際理解の一歩になっているのかな、と思います。
※本作品には、人が殺されるシーンが複数回あります。昔話は日本のものでも、人や動物が殺されるシーンはあるので、あまり気にされることもないかと思います。しかし、人が人を斬り殺すという場面で、娘は軽くショックを受けているように見受けられました。お子さんによっては、適さないこともあるかと思いますので、ご注意ください。
外国語の習得や、外国の方との触れ合い、実際に外国に行くといったことだけが、国際理解ではありません。
外国の文化や、その良さを知るのに、昔話や絵本は有効です。
日本や西洋の昔話やおとぎ話の有名なものを一通り知っている小中学生にも、こちらの作品は国際理解の良い手立てになるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。