元小学校教員が教える!読み聞かせのメリットと子供が喜んで聞くポイント
こんにちは。
元小学校教員で2児の母、河西です。
本ブログでは、子供たちと読んだオススメの絵本や、育児経験や教員としての経験をもとに、教育・育児に役立つかもしれないことについて、ご紹介していきます。
今回は読み聞かせについて。
今年、年長になった娘のお友達ママたちのお話を聞くと、あまり読み聞かせをしていない印象をもちます。
しかし、私は育児や教育において、読み聞かせや読書は最良の家庭教育だと思っています。
やらないなんてもったいない!
多くの方にご家庭で読み聞かせを楽しんでほしいのです。
そこで、今回は幼児期の読み聞かせのメリットや方法をご紹介します。
1.読み聞かせのメリット
ベネッセ教育総合研究所では子供の読書について多くの調査を行い、研究を重ねています。
2012~2018年では、親子の読み聞かせ習慣が子供に及ぼす影響について明らかにしています。
読書習慣の確立
親子で読み聞かせをする頻度の高い家庭に育った子供は、児童期に自ら読書をする頻度が高いことが分かりました。
読み聞かせをすることで本を好きになり、文章を読む力の素地が養われていると言えます。
読書習慣の確立は学力向上に
同研究において、小学4年生以降の一人読みの頻度が言葉のスキルや論理的な思考力に影響を与えることが分かりました。
読み聞かせをする際には、自然と本についての会話が生まれます。
子供が言葉の意味を親に問うたり、親子で感想を言い合ったりするやり取りが、言葉のスキルや論理的な思考力の育成に良い影響を与えるのだと考えられているのです。
親子で読み聞かせを楽しみ、読書時間を共有することが重要だと言えるでしょう。
また、ベネッセでは別の研究で、読書習慣のある子供の方がない子供よりも、偏差値向上の幅が大きいことも明らかにしています。
親子で日常的に読み聞かせを楽しむことで、考える力の素地が形成される。
その上、読書の習慣が形成され、学力向上にもつながる。
読み聞かせは簡単に楽しくできる、最良の家庭教育だと言えるでしょう。
▼参考・参照:ベネッセ教育総合研究所「読み聞かせの実態と言葉の発達 ─幼児期から小学生の家庭教育調査─ 」
https://berd.benesse.jp/up_images/magazine/KORE_2019_spring_data.pdf
▼読書習慣と学力向上との関連については、こちらもご参照ください。
ノーリスク・ハイリターン
読み聞かせは、本さえ用意すればいつでも始めることができます。
教育的な効果を見込んで何か始めようとすると、費用がかかることがほとんど。
費用がかかるということは、継続していけるかどうかということも懸念され、リスクを伴います。
しかし、読み聞かせは本を図書館で借りれば無料で始められます。
そして、上記のようなメリットがたくさん。
まさに、ノーリスク・ハイリターンな家庭教育!
やらないなんて、もったいない。
2.読み聞かせをする上で一番大切なこと
子供に読み聞かせをする上で一番大切なこととは、子供が楽しんで聞けるということです。
上記に紹介したような読み聞かせのメリットは、子供が読み聞かせを楽しんでいる時にのみ当てはまるもの。
読み聞かせが義務となっていて、イヤイヤ聞かされているという状態では、効果は発揮されないのです。
「寝る前の読み聞かせ」「毎日10分」「読むべき本」「読み聞かせ時の読み方」など、読み聞かせに関して色々なことが言われますが、これらは二の次でOK。
どんな本でも、いつ、どれくらい読んでも、どんな風に読んでも構いませんので、とにかく子供と読み聞かせを楽しみましょう。
それが読み聞かせをする上で一番大切なことです。
3.いつ、何を読むのか
子供が楽しんでいることが大前提といっても、いつ、どんな本を読めばよいのでしょうか。
いつ読み聞かせをするか
子供が楽しく聞けるのであれば、読み聞かせはいつしても良いのです。
「寝る前の読み聞かせ」がオススメされることも多いですが、お子さんがそれを望んでいるのなら、それも良いでしょう。
「『朝読書』というから、朝だ」などと親が決めつけて、気乗りしない子供に読み聞かせをするのはNGです。
私のオススメする読み聞かせのタイミングは、子供が「ラッキー!」と思える時です。
幼稚園に行きたくない朝、お風呂になかなか入ってくれない時、遊び足りなくて布団に入れない時など。
「じゃあ、このご本を読んでからにしようか」とすると、子供としては「ラッキー!」なタイミングですよね。
本(読み聞かせ)は嬉しいもの、と刷り込むことができます。
どんな本を選べば良い?
子供が本をじっくり楽しめるよう、私は次のことに注意しています。
基本的には、子供が読んで欲しがる本ならば、何でもOKです。
しかし、子供の選ぶのが必ずしも、子供の望むような内容や発達に合っているとは限りません。
そんな時も、まずはその本を読んであげましょう。
もし、読んでみた上で、内容が難しすぎたり、子供が思っていたようなものでなかった場合は途中でやめてしまってもいいのです。
子供が読みたい本があるのに、大人の選んだものしか読んでもらえないと、せっかくの読み聞かせタイムに、子供の中に不満が残ってしまうかもしれません。
まずは、子供の希望をきいてあげましょう。
一方、中には本にあまり興味のないお子さんもいますよね。
そんな時は、大人が本を用意してあげます。
大人が本を選ぶ際のポイントは2点です。
・見開き1ページ当たりの文量の少ない本
まずは、自分の好きなものの本もあることを子供に知ってもらいます。
そして、あまり本に慣れていない子供は、ページの切り変わりが遅いと、なかなか聞いていられません。
ページがすぐに変わる絵本から、徐々に文量を増やしていきましょう。
4.読み聞かせのポイント
子供が楽しんでいれば、読み聞かせはどんな方法でもOK。
それが前提です。
では、どうやって読み聞かせをすれば、子供は読み聞かせを楽しめるのでしょうか。
子供が喜ぶ読み聞かせのポイントをご紹介します。
2秒待ってページをめくる
ページをめくる前に2秒待ちます。
これは、子供に絵本の「絵」を味わわせるためです。
特に、小さな子供や読み聞かせに慣れていない子供向けの絵本は文量が少なく、すぐにページが変わります。
すると、どんな絵が描かれているか、子供がじっくりと味わう間がありません。
子供が、文と共に絵をしっかりと楽しめるよう、絵本はページを変える前に2秒待つようにしています。
情感たっぷりに?淡々と?
読み聞かせなら、面白おかしく情感たっぷりに読むものだとお思いの方も多いのではないでしょうか。
しかし、国語科の範読(学習前に教員が、教材文を読んで聞かせる)の時には感情をこめて読んではいけない、という鉄則があるのです。
淡々と読む
なぜ範読では淡々と読むのかというと、子供に自分たちの力で文章を読み取ってもらうため。
教員が感情を込めて読んでしまうと、教員が読み取ったことを子供たちに伝えることになってしまうのです。
例えば、「お母さんは泣いていました」という文章を読む場合。
教員が悲しい声色で読めば、お母さんは何かが悲しくて泣いていることになります。
明るい声色で読めば、何か嬉しくて泣いていることになります。
しかし、お母さんがなぜ泣いているのかは、子供が読み取るべきこと。
教員が情感たっぷりに読んでしまうと、これから子供が学ぶことを、教員が先に教えてしまうことになるのです。
読み聞かせでも、同じことが言えるでしょう。
情感たっぷりに読んでしまうと、子供が前語の文章から自力で読み取るべきことを、親が暗に伝えてしまうことになるのです。
淡々と読むという方法も、子供の読解力向上につながる良い読み方なのです。
情感たっぷりに読む
しかし、感情を込めて読む良さも、もちろんあります。
小さな子供や読み聞かせに慣れていない子供は、淡々と読み聞かせをされても、面白味を感じられないでしょう。
なぜなら、読解力がついていないからです。
大人が情感たっぷりに読むことで、本の世界を子供に上手に伝えることができ、子供に本(読み聞かせ)の楽しさを伝えることができます。
本の内容・発達に合わせて
上記のように、淡々と読むことにも、情感たっぷりに読むことにもメリットとデメリットがあります。
そこで、本の内容や発達に合わせて、読み方を変えてみましょう。
私は、読み聞かせの好きな娘には淡々と読み聞かせするようにしています。
絵本にあまり興味のない息子には、情感たっぷりに読んでいます。
子供の発達や、本に慣れているかどうかで、読み方を変えるのです。
また、娘への読み聞かせの際にも、怖い本を読む時には情感たっぷりに読んで怖がらせています!
まとめ
- 読み聞かせをすると、一人読みの習慣につながる。
- 読書の習慣は学力を向上させる。
- 読み聞かせは費用がかからず、効果が高い。
- 子供が楽しんで聞ける時に、楽しんで聞ける本を読む。
- 2秒待ってページをめくる。
- 淡々と読むのも、情感たっぷりに読むのも、メリット・デメリットがあるので、発達や本の内容に合わせる。
読み聞かせは最良の家庭教育です。
費用をかけずに簡単に始められ、教育効果も高いもの。
しかし、そんなことは考えず、まずはお子さんとの読み聞かせ時間を楽しんでください。
親が楽しんで読んでいれば、子供も自然に本を楽しむようになるものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。