アクティブラーニングのひとつ!「自分で調べる」ができる子に
近年、教育の世界で注目されているアクティブラーニングという言葉をご存じですか。
子供が主体的に学ぶための姿勢の育成は大変重要なものです。
私が小学校教員として在職中は、子供が「知りたい」と思えるよう、授業を工夫するのに腐心していました。
「主体的に学ぶ姿勢」というものは、もちろん自然に身につくのではなく、教育や環境によって育成されていくものです。
では、家庭では子供の「主体的に学ぶ姿勢」は、どのように身に付けさせれば良いのでしょうか。
「自分で調べる」はアクティブラーニングのひとつ
気になったことをすぐに調べる、というのは主体的な学び、つまりアクティブラーニングの一つと言えます。
「気になったことをすぐに調べる」のは当たり前のように思えるかもしれません。
しかし、「すぐに自分で調べる」というのは自然に身につくものではないのです。
アクティブラーニングとは
そもそもアクティブラーニングとは、どのような概念なのでしょうか。
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
(引用元:文部科学省用語集)
つまり、子供が主体的に学ぶための授業の工夫や、それによって様々な能力の育成を図ろうというものです。
要するに、「子供が自分から学ぶような授業をすることが大切で、それが学習効果を高める」ということだと言えるでしょう。
教員は発問や教材を研究し、専門的な知識や経験をもって、これを実現しようとします。
子供の興味関心を引き、学習内容を子供にとって自分事に引き寄せる工夫をすることで、学ぶモチベーションを維持できるように努めるのです。
一方、家庭でそこまでするのは困難であり、状況的にもあてはまらないでしょう。
しかし、子供が主体的に学ぶ姿勢を身に付けることは、家庭でも可能です。
自分で調べるがアクティブラーニングに!
気になることがあった時、すぐに自分で調べるというのは、アクティブラーニングの第一歩だと言えます。
子供が学びに向かう主体的な行動だからです。
この「気になること」は、教科学習の内容に限りません。
自分の好きなこと、興味のあること、テレビを見ていて気になったこと、ゲームをしていてわからないことなど、全てです。
「知りたい」と思ったことをすぐに調べるという習慣は、主体的な学びの一つ。
簡単なことに思えるかもしれませんが、これを実現するには、大人が環境を整える必要があるのです。
「自分で調べる」ができる子にするためには
「自分で調べる」ができる子にするためには、次の2点が重要です。
- 調べられる環境を整える
- 「知りたい」の内容を制限しない
環境を整える
まず、子供が自分で調べられる環境を整えることが大切。
子供が自分で、すぐに調べられるツールを整えるということです。
どのツールを用意するかは、年齢や発達の度合いによって異なります。
子供がローマ字入力をスムーズにできるのであれば、PCやタブレットを用意してあげても良いでしょう。
小さな子供であれば、図鑑や簡単な辞書など。
ここで大切なのは、どんなツールを用意するにせよ、子供が自分ですぐに調べられるようにするということです。
PCやタブレットを用意するのであれば、子供が自由に、すぐに触れるように設定する必要があります。
親にPCを出してもらわなければならない、きちんと子供用の使用制限がされていないために親不在時は使えないといったものでは、子供がすぐに調べられません。
PC・タブレット、図鑑などの書籍、どれであっても、子供が自由にいつでも、ツールに触れられる環境を整えることが大切です。
「知りたい」の内容をできるかぎり制限しない
子供が調べたい、知りたいと思う内容を制限しないことも重要です。
なぜなら、「知りたい」という強い動機に基づいて行動している時は、その行動自体が学びになるからです。
自分の好きなことに没頭する時、人は多いに思考しています。
それがたとえアニメのキャラクターに詳しくなりたい、ゲームを攻略したい、というようなことであっても。
好きなことについて学ぶ過程で獲得した、調べ方や目的に到達するプロセスなどは、学習でも活かされ、ひいては人生で活かされます。
「またゲームの調べもの」「アニメの本しか見てない」と思ってしまいがちですが、子供にとっては、重要なスキル獲得の時間かもしれません。
※子供が性的なものや暴力的なものについてばかり調べ、強く興味をもっている場合には、なぜこれらのことばかり調べているのか、話を聞いてみてください。最初から否定せず、子供の興味関心を尊重しつつ、危険を回避できるように親が介入できるようにしましょう。
「自分で調べる」が進む本
「自分で調べる」が進む本は以下のものです。
- 図鑑
- 辞書
- キャラクターの図鑑
- ゲームの攻略本
図鑑や辞書は言わずもがなですが、キャラクター図鑑やゲームの攻略本は、購入をためらってしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、子供が興味をもち、知りたいと思うことを自分で調べられるようにすることが大切。
これらも、子供にとって大切な「調べる」経験になると思っています。
そして、PCやタブレットを使える子供でも、書籍から得る情報は多いものです。
また、このようなツールを子供が使うことはできても、安全に使用させることが難しい場合もあるでしょう。
そんな時は、やはり書籍の利用がオススメです。
情報の信ぴょう性についても、ネットには注意が必要であることも併せて子供に話すのも良いでしょう。
まとめ
- 子供が自主的に学べるような工夫をすること、それによって学習効果を高めることをアクティブラーニングと言う。
- 好きなことを自分で調べる経験は、大事なアクティブラーニング。
- 子供が自分で、すぐに、いつでも調べられる環境を整えることが重要。
- 子供が調べることを制限しないことも大切。
- 図鑑や辞書だけでなく、キャラクターやゲームについての書籍でも、自分の知りたいことを主体的に調べる経験になる。
子供が主体的に学ぶように工夫することがアクティブラーニングです。
それは、学校だけでなく家庭でも取り組めます。
子供の興味関心を尊重し、すぐに調べられる環境を整えることは、主体的に学ぶ姿勢の育成につながるのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。