絵本レビュー「えらぶえほん」
私の最もお気に入りの絵本です。
1.えらぶえほん
/#えらぶえほん で遊んでみました✨
— 講談社絵本通信 (@kodansha_ehon) 2020年7月8日
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嬉しいことに重版になりました!
おうち時間にぴったりともご好評いただいています。ぜひご自宅でどれがいいかな〜と選びながら、楽しんでみてください🥳🎵https://t.co/9Ij9Deegsd pic.twitter.com/kPnU7fnmwn
タイトル | えらぶえほん |
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発行年 | 初版 2019年 |
作者 | 絵:ニック・シャラット 文:ピッパ・グッドハート 訳:聞かせ屋。けいたろう |
出版社 | 株式会社 講談社 |
本のサイズ | 約27.5×24cm |
ページ数 | 25ページ |
対象年齢 (公式なものではなく、私の感覚です) |
2歳頃から何歳でも |
オススメ度 | ★★★★★ |
2.あらすじ・内容
タイトルの通り、たくさんのものの中から自分の好きなものを選ぶ絵本です。
見開きごとに、のりもの、食べ物、家、服、なりたい職業、明日したい遊びなどのテーマが設定されており、たくさんの絵が描かれています。
そのたくさんの絵の中から、自分の好きなものを好きなだけ選んでいくのです。
3.楽しいだけじゃない!思考力を伸ばすパーフェクト絵本
この絵本は、子供が絵本を楽しむという要素と、思考力の育成という学習効果の両方を備えた、かなり優れた作品です。
思考力の育成
この絵本の最大の魅力は、絵本でありながら子供に「たくさん語らせる」ことができる点でしょう。
「言語活動」は、教育の現場では大変重要視される概念です。
言語活動とは、おおまかに言うと、「話す・聞く・書く・読む」活動です。
自分の考えを話したり書いたり、また他者の考えを聞いたり読んだりすることで、思考は深まります。
そして、またその思考を言語活動を通して深めていく…
思考力の育成と豊かな言語活動は、同時に行われていくものなのです。
また、私が教員として勤務していた頃、社会科の研究授業をした際に、指導に来てくださった講師の方が「子供に『だってね』をたくさん語らせてください」と言われたのが印象に残っています。
「だってね」は次に理由を述べる時に使う言葉。
それまでの学習を根拠に、論理的に語らせるような場面を作るということです。
この絵本では、自分の中にある理由を生き生きと子供に語らせることができます。
もちろん、「論理的」とは言えません。
しかし、「選択」には何かしら理由があるのです。
子供に「何でそれにしたの?」と聞けば、「花柄が好きだから、このスカートがいい」「お城に住めば、家族みんなの部屋があるから」など、何かしら自分なりの理由を語らせることができます。
絵本は普通「受け止める」ものだと思います。
この絵本ほど、子供に生き生きと話をさせられるものはないでしょう。
とにかく楽しい!
上記では、言語活動などとお話しましたが、これほどたくさんの選択肢の中から、好きなものを好きなだけ選べる、というのはとにかく楽しいのです。
思えば、子供が自分で好きなものを好きなだけ選べる、という場面はなかなかありません。
それが許されるこの絵本に、とにかくワクワクできます。
想像力をかきたてる
さらに、子供の想像力をかきたてるのです。
私の娘は、「どの家に住みたい?」のページで、よくお城を選びます。
「一番上のここは自分の部屋で、下の2つの部屋はお父さんとお母さんの部屋で…」と語りだします。
自分の選択したもので、その先どうしたいか、何をしたいかといったことまで子供に想像させてくれるのです。
とにかく楽しい!
でもそれだけじゃない。
一人で読んでも、みんなで読んでも楽しい、まさにパーフェクト絵本です!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。